【12月13日 AFP】米政府がロシア政府および国連(UN)の軍縮委員会と、「インターネットのセキュリティ問題」と「サイバースペースにおける軍縮」についての話し合いを開始したと、12日付け米紙ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)が報じた。

 同紙によると、米政府が話し合いに参加したことについて、ロシアの情報安全研究所のViktor Sokolov氏は、「米国政府のインターネット安全問題に関する政策がこの数か月間で大きく変化している証拠だ」と語っているという。過去数年にわたり、ロシア政府はこの問題について話し合いの場を持つことを提案してきたが、米政府はこれを拒否していた。だがオバマ政権は、サイバー兵器の開発を行う国が増える中、国家間の軍拡競争を抑止するには新たな対応策が必要だとの認識を示している。

 Sokolov氏は今回の話し合いを、かねてからロシアが求め、米国が拒絶してきたサイバースペースにおける軍縮条約に関する交渉の始まりとして位置づけているという。

 しかし匿名を条件に同紙の取材に応じた米政府当局者は、米国側はこの話し合いの性格について異なる見解を持っているという。ロシアはサイバー兵器の開発を規制する条約に重点を置いている一方、米国はこの話し合いを利用して、インターネット犯罪に対抗するための国際協力を強化したい意向だ。

 同紙によると、米政府はインターネット犯罪対策を強化すれば、軍事的なサイバー攻撃への防衛力の強化につながるとの立場を取っている。(c)AFP