【12月4日 AFP】米民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は3日、来年の米中間選挙の争点は混迷を深めるアフガニスタン情勢ではなく、雇用対策問題になるだろうとの見方を示した。

 上院議員の3分の1、下院議員全員が改選となる中間選挙は、歴史的に与党が議席を減らす傾向があるといわれる。

 こうした中、民主党内には、支持者の多くに不人気なアフガン増派政策が選挙での大敗につながるのではないかとの苛立ちが高まっている。

 これに対しペロシ議長は、「民主党支持層も、共和党支持層も、無党派層も、関心があるのは雇用、雇用、雇用、雇用だ」と述べ、アフガン問題がオバマ政権の足かせとなるとの見方を否定した。

 選挙運動の開始を数週間後に控え、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は国内の雇用創出対策に重点的に取り組む姿勢を見せている。

 大恐慌以来といわれる経済危機からの脱却をはかり、2月に7870億ドル(約69兆円)の景気対策法案を議会で可決した民主党は、米失業率が10%を超えて23年ぶりの高水準になったのを受けて、雇用対策を盛り込んだ追加雇用法案をまもなく提出する見通しだ。

 ペロシ議長は、新法案の予算は金融危機対応のための不良資産救済プログラム(Troubled Asset Relief ProgramTARP)から拠出するとし、法案の年内可決に期待感を表明した。(c)AFP/Olivier Knox