【12月4日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は3日、国営テレビの番組に出演し、2012年大統領選挙に再び立候補する可能性があることを示唆する発言を行った。

 同番組はプーチン首相が国民から電話、電子メールなどによる質問に答えるというもので、当日は200万件を超す質問が寄せられていた。プーチン首相は番組中、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)現大統領の1期目の任期が終了する2012年に大統領選に出馬する意向があるかとの質問を受けて、「この件について考慮したい。時間は十分ある」と語った。プーチン氏がこうした番組に出演するのはこれが8回目。首相になってからは2回目となる。

 一方、イタリア訪問中のメドベージェフ大統領はその数時間後、ローマ(Rome)で記者会見を開き、「プーチン首相が出馬する可能性を否定しないなら、私も同様だ」と発表。2期目の再選に向けて出馬する可能性があることを明らかにした。プーチン首相とメドベージェフ大統領の衝突は必至とみられる。

 ロシアで最も影響力のある政治家とされているプーチン首相が大統領復帰を画策しているとの説は、以前から広がっていた。ロシアの憲法の規定で3選が禁止されているため、2000年から2期8年の大統領任期を務めたプーチン首相は08年、その座を退いた。以降、メドベージェフ・プーチン政権は「双頭体制」といわれる状態を維持している。しかし2012年に再度出馬することは禁止されておらず、同首相自身もこれまで、出馬する可能性を否定していなかった。(c)AFP/Alexander Osip