【12月1日 AFP】来日中のロシアのセルゲイ・ナルイシキン(Sergei Naryshkin)大統領府長官は11月30日、鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相との会談に先立ち都内で講演し、北方領土問題に対する過剰な感情的反応は今後の日露交渉の妨げとなるとの認識を示した。

 なかでも、ナルイシキン長官は、前原誠司(Seiji Maehara)国土交通相が10月、北方領土を洋上視察した際に、「北方領土は旧ソ連が不法占拠したもの」と語ったことにふれ、このような公の場での発言を認めることで、日本政府が(北方領土問題で)過激な立場だと明示することになる。こうした過度に感情的な反応は、日露交渉にとっては逆効果となる」と語った。

 ナルイシキン長官は、さらに「建設的な対話のために、問題を政治的に過熱させるだけの感情的な対応は避けるべきだ」と述べ、相互理解と尊重にもとづく対応を日本側に求めた。(c)AFP