【12月1日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は11月29日、アフガニスタン戦略に関する命令を下した。自らの政治生命をかけた大規模増派が行われる見通しで、戦費がかさみ米国民を疲弊させている戦争からの最終的な「出口戦略」の形成につながるもようだ。

 ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)大統領報道官は11月30日、「最高司令官(オバマ大統領)は命令を下した」と述べた。

 オバマ大統領は同日、各国首脳に対し、同戦略の概要を説明しており、1日午後8時(日本時間2日午前10時)、ウエストポイント(West Point)陸軍士官学校で行う演説のテレビ中継の中で、米国民に向けて発表する予定となっている。

 米国民の間で極度の戦争疲れが広がる中、アフガニスタン戦略会議で政策の包括的な見直しが検討され、新戦略がまとまった。大統領支持者の間では、ベトナム化ともいえる状況のアフガニスタンに大量増派を行うことは、大統領の職を脅かす可能性もあるとの見方も出ている。

 オバマ大統領は民生支援の強化に加え、アフガニスタンでのイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)掃討や主要都市の治安確保、アフガン治安部隊の早急な訓練などで米国の取り組みを強化するため、3万~3万5000人の増派を命令するとみられている。

 大統領はまた、国民や各国指導者に対し、無期限で費用のかかるアフガンへの米軍駐留を続けるつもりはないことを断言する見通しだ。(c)AFP/Stephen Collinson