【11月30日 AFP】(一部更新)イラン核開発問題をめぐり米国などの圧力が強まる中、イラン国営テレビは29日、同国政府が新たにウラン濃縮施設10か所を建設する方針だと報じた。

 国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)がイラン非難決議を採択した2日後のこの日、国営テレビはイラン政府が、新たなウラン濃縮施設5か所の建設開始を指示したと報道。さらに同放送のウェブサイトでは、政府が2か月以内に別の5か所の建設場所を選定するよう指示したことも報じられた。

 国営イラン学生通信(ISNA)は、アリ・アクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)イラン副大統領兼原子力庁長官が政府の指示を実行すると発言したと伝えている。

 マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は、「イランは、国内で年間250~300トンの燃料を生産できるレベルに到達しなければならず、そのために新たな高速の濃縮施設が必要になる」「12月2日の国会で純度20%の濃縮ウランの生産を検討する。国際社会に対しては誠意ある対応をするつもりだが、わが国の権利がわずかでも侵害されることは許さない」と語った。

 イラン国会はこの報道に先立ち、コム(Qom)で建設中の第2のウラン濃縮施設を非難するIAEAとの関係を縮小するよう政府に求めていた。

 イラン政府の発表後、ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)米大統領報道官は、「事実であれば、安保理決議で定められた義務の深刻な違反となり、イランが自ら孤立を選んでいることを示す新たな実例になる」と警告。イランが国際社会の懸念を払拭するために残された時間はなくなりつつあると語った。(c)AFP/Farhad Pouladi