【11月27日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)は27日、オーストリアのウィーン(Vienna)で開いた理事会でイランの核問題を協議し、イランに対し新たに存在が発覚したウラン濃縮施設の即時建設中止を求める非難決議を採択した。IAEAがイランの核問題をめぐる決議を採択したのは、2006年2月以来初めて。

 英米独仏を中心とする欧米諸国はかねてから、イランの核兵器製造を疑っていたが、イランと関係の深い中国とロシアの外交支持をとりつけられなかった。しかし、今回は両国とも決議を支持。35か国からなる理事会で、25か国が非難決議案の賛成に回った。決議に反対したのは、ベネズエラ、マレーシア、キューバの3か国のみで、イランの外交的孤立が浮き彫りとなった。

 これに対し、イランのアリ・アスガル・ソルタニエ(Ali Asghar Soltanieh)IAEA担当大使は、ただちに決議を非難する声明を発表。決議は「(イランとIAEA間の)対話につながる環境を損ねるものだ」と述べ、イランが保有するウランの再濃縮案についても、「新たな選択肢を模索することになる」と警告した。その一方で、核拡散防止条約(Non-Proliferation TreatyNPT)からは撤退しないと述べた。(c)AFP/Simon Morgan