【11月23日 AFP】イランのアリ・アスガル・ソルタニエ(Ali Asghar Soltanieh)国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)担当大使は22日、研究用原子炉への燃料供給についてさらなる協議を行う用意はあるとしたうえで、燃料供給には確実な保証が必要だとの認識を示した。

 国営イラン学生通信(ISNA)の報道によると、ソルタニエ大使は、「主要な議題は、イランが必要な燃料を必要なタイミングで得る方法だ」と述べ、「前向きな方向で協議に臨む用意はあるが、欧米との間の信頼欠如により、確実な保証が必要だ」と付け加えた。

 ソルタニエ大使のコメントに先立ち、イラン政府は18日、IAEAによる国内で保有する低濃縮ウランの大部分をロシアやフランスなどの国外で研究炉用の核燃料に加工する案を拒否する声明を発表。その代替案として、低濃縮ウランの核燃料交換をイラン国内で行うとした案を提案している。

■核施設攻撃を想定した軍事演習開始

 一方、イランは22日、国内核施設への攻撃を想定した大規模な軍事演習を始めた。
 
 米国とイスラエルはイランの核兵器保有を阻止するためであれば軍事的手段も除外しないとの姿勢を示している。イスラエルは否定も肯定もしていないが、同国が中東地域で唯一の核保有国であることは公然の秘密となっている。

 イランの精鋭部隊、革命防衛隊(Revolutionary Guards)の司令官は同日、イスラエルがイランを攻撃するようなことがあればイラン側もイスラエル戦闘機を撃墜し、万一、イスラエル機が逃れられたとしても、「われわれの地対地ミサイルが彼らの空軍基地を破壊する」とファルス(Fars)通信に語った。

 また、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師の側近も21日、イランが攻撃されれば、反撃としてイスラエルの主要都市テルアビブ(Tel Aviv)を攻撃すると表明している。(c)AFP/Jay Deshmukh