【11月17日 AFP】イタリアのローマ(Rome)を訪問中のリビア最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が15日夜、モデル事務所の派遣したイタリア人女性100人に演説しイスラム教に改宗するよう求めたという。各紙が16日報じた。

 カダフィ大佐は、世界の食糧安全保障問題を話し合う国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganisationFAO)の「食糧安全保障に関する世界サミット(World Summit on Food Security)」に出席するため、ローマを訪問中。

 報道によれば、女性たちはイタリアのモデル事務所ホステスウェブ(Hostessweb)が選抜。条件は身長1メートル70センチ以上で「感じが良く」、「身なりが整っている」ことだったという。襟(えり)ぐりの深い服やミニスカートは禁止で、女性には50-60ユーロ(約6600-8000円)の給料が支払われたという。

 女性たちは理由を聞かされずにローマの高級地区ベネト通り(Via Veneto)にある高級ホテルへ行くように言われ、そこからバスでリビア大使の邸宅へ移動した。

 1時間後の午後10時3分ごろにカダフィ大佐が到着。パーティーが開かれると思っていた女性たちを前にイスラム欧米の関係史、女性の役割などについて講義を始め、女性たちを驚かせた。

「イスラム教が女性に敵対しているというのは正しくない。イスラム教に改宗しなさい。イエス(Jesus)はヘブライ人(ユダヤ人)のために使わされたのであって、あなたたちのためではない。しかし、ムハンマド(Mohammed)は全人類のために使わされたのだ」(ムアマル・カダフィ大佐)

「イエスははりつけにされたと思っているだろうが、それは間違いだ。神がイエスを天に召したのだ。はりつけにされたのはイエスによく似た別人だ。ユダヤ人がイエスを殺そうとしたのは、モーゼ(Moses)信仰を真の道としたかったからだ」

 大佐の演説は約1時間ほど続いたが、女性たちはその間、食べ物や飲み物を与えられなかったという。

 カダフィ大佐の大演説はまだ終わりではない。報道によれば、ホステスウェブはさらに400人の女性を採用し、16日と17日の晩さん会へ派遣する予定だという。(c)AFP