【11月17日 AFP】中国を訪問中のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は16日、上海(Shanghai)で行われた学生との対話集会で、インターネット利用や政治的自由の拡大を主張し、中国のメディア規制を暗に批判した。

 北京(Beijing)での胡錦涛(Hu Jintao)国家主席との夕食会に先立ち行われた対話集会で、自身を「開かれたインターネットと検閲廃止の強力な支持者」と評したオバマ大統領は、「より自由な情報の流れが、より強固な社会を築くと信じている」と語った。中国は、マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「フェースブック(Facebook)」などへのアクセスを数か月も規制している。

 対話集会の様子はインターネットで生中継されたが、テレビ中継は上海の地元テレビ局のみで全国中継はなかった。また、国営新華社(Xinhua)通信のウェブサイトが掲載したのは演説の文言のみで、実際にどれだけの中国人がオバマ演説の全容を知ることができたかは不明だ。
 
 また、国営テレビの夜のニュースがオバマ大統領の訪中に触れたのは、放送が始まって25分もたってからで、新華社の報道でも、オバマ大統領がインターネットの自由に言及した部分は削除されていた。

 対話集会をネット中継したホワイトハウス(White House)も、実際に中継にアクセスした中国人の数は把握できていないという。(c)AFP/Stephen Collinson