【11月15日 AFP】シンガポールで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は15日、過去数十年で最悪の世界金融危機を受け、保護貿易主義を拒否し新たな成長戦略を策定する方針を盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕した。

 首脳宣言で各国首脳は、「あらゆる形態の保護主義を厳しく拒否すること、さらに市場を開放し投資や貿易に対する障壁が新たに生じることを阻止すべく努力していく」方針を示した。

 また、APECに参加したバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、輸出に依存した経済から脱し世界の経済成長の均衡を回復するようアジアの参加国首相らに訴えたことを受け、各国首脳は「『従来通りの成長』に戻ることはできない」との考えを示し、「新た経済成長の枠組み、新たな経済統合のモデルが必要だ」と宣言した。

 宣言は、「イノベーションと知識集約型経済により支えられた、バランスの取れた、包括的で持続可能な成長を追求しなければならない」との方針を示し、「この成長で、雇用を生み出して人々に恩恵をもたらすような確かな景気回復をもたらす」とした。(c)AFP