【11月12日 AFP】中国の著名な人権活動家、馮正虎(Feng Zhenghu)氏が、中国政府に帰国を拒否され成田空港で9日間、立ち往生している。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が「投獄されたことのある著名な人権活動家」として名前を挙げる馮氏は、米映画『ターミナル(The Terminal)』の国籍を失った主人公さながらに、今月4日から、成田空港第1ターミナルの入国審査付近のベンチで寝起きしている。馮氏は12日、AFPに「これで8泊9日目だ。飲み食いもろくにしていない」と中国語で語った。

 馮氏は今年数か月間、日本に滞在した後にこれまでに8回、帰国を試みているが、4回は上海(Shanghai)の浦東国際空港(Shanghai Pudong International AirportPVG)で当局に入国を禁じられ、強制的に引き返させられた。残りの4回は日本の航空会社に搭乗を拒まれたのだという。「こうした行為にわたしは強く抗議を表明したい。国連(憲章)の下、いかなる国にも、その国民の市民権を否定する権利はない」。

 中国の旅券はまだ3年間有効で、日本へのビザも切れていないが「家に帰りたい」。馮氏はこうした試練にもめげず健康状態に問題はなさそうで、ひげもきれいにそっているが、胃は小さくなってしまったとたどたどしい日本語で語った。(c)AFP