【11月12日 AFP】北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞(Rodong Sinmun)は12日の論評で、10日に朝鮮半島西方の黄海(Yellow Sea)上で発生した韓国、北朝鮮の艦艇による銃撃戦について、「軍事的挑発で朝鮮半島情勢を緊張させようとする」韓国軍の「陰謀」だと非難した。

 同紙は、銃撃戦が発生する前、数隻の韓国海軍艦艇が隊形を整えて待ちかまえており、通常の監視任務を行っていた北朝鮮海軍の警備艇に発砲してきたとしている。

 また、北朝鮮軍も、銃撃戦は「深刻な軍事的挑発」だとして韓国海軍を非難するとともに、北朝鮮艦艇が北方限界線(Northern Limit LineNLL)の北側にいたにもかかわらず、韓国側が先に発砲したと主張している。 

 今回に銃撃戦について専門家は、朝鮮半島における緊張を高めることで、北朝鮮が今後予定されている米国との直接対話において交渉を有利に進めたい意図があるとの見方も示している。

 一方、韓国軍筋がAFPに語ったところによると、韓国政府はすでに派遣済みの2隻の警備艇に加え、魚雷や誘導ミサイルを装備した新型の駆逐艦1隻をNLL付近に派遣し、警戒を強めている。(c)AFP/Simon Martin