【11月11日 AFP】ネパールで同国の女性副大臣が、公式訪問先で旧式の車を配車されたことに腹を立て、郡知事(CDO)を何度も平手打ちをするという出来事があった。ネパール各紙が11日、写真付きで大々的に伝えた。

 カリマ・ベガム(Karima Begam)農業協同組合副大臣は、視察先で高官の襟(えり)もとにつかみかかり、顔に繰り返し平手打ちしたことを認めた。要望した車種が配車されなかったためだという。

 ベガム副大臣は、日刊紙Republicaに対し「ええ、CDOをひっぱたきました。平手打ちを5回」と語った。

 ベガム副大臣は、女性議員らとの会合に出席するためにネパール南部を公式訪問していた。

 ベガム氏は、郡知事のParsa Durga Prasad Bhandari氏が、送迎用の車に、事前に指定した一番良い車を使わずに古い車をよこしたことに対して怒りを示したとみられる。報道によれば、ベガム氏は「どうして大臣が(新しい)車を使えないのか。大臣とCDO、どっちが偉いと思っている!」と言ったという。

 ネパールの首相報道官は、AFPに対し、ベガム氏の態度は容認できるものではないと述べたものの、更迭処分となるかどうかについてはコメントを拒否した。

 ネパールでは多くの新聞が、目を潤ませた郡知事の写真付きで、この出来事を1面で報じた。Bhandari氏は車の選択の理由について説明しようとしたものの、副大臣は耳を貸さなかったという。

 Bhandari氏はRepublica紙に「メガネも壊された」と語った。(c)AFP