【11月11日 AFP】親の一方が国境を越えて子どもを不法に連れ去る問題をめぐり、日本政府がほかの先進国と足並みをそろえていないとして、米上院の約4分の1の議員が9日、今週訪日する予定のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に対し、日本政府に取り組みを求めるよう要請した。

 日本の裁判所は、離婚した外国人の親の親権を認めることはほぼない。外国人の親の親権を認めずに、日本人側の祖父母に親権を与えることさえある。

 活動家らによれば、数千人の外国人の親が、日本に暮らす子どもたちに会うことができないでいるという。この問題は最近、米国人男性が通学途中の自分の子どもを連れ去ろうとして拘束された事件をきっかけに注目されるようになった。

 1980年のハーグ条約(Hague Convention)は、不法に連れ去られた子どもを常居所がある国に戻すことを規定している。超党派の上院議員22人はオバマ大統領あての書簡で、先進7か国(G7)で1980年のハーグ条約に署名していないのは日本だけであることを憂慮しているとしている。

 書簡はまた、鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相に対し、より積極的な取り組みを期待するとしている。この問題については前月にも、米国など欧米7か国の駐日大使が日本政府に対して取り組みを要請していた。

 オバマ大統領は、アジア歴訪の最初の訪問先として、今週日本を訪れる。(c)AFP