【11月9日 AFP】カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は8日、タイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相が講演のため12日にカンボジア入りすると明らかにした。

 プノンペン国際空港(Phnom Penh International Airport)で行った記者会見でフン・セン首相は、タクシン首相が経済専門家300人が出席する会議で、カンボジア政府の経済顧問として講演すると語った。

 カンボジアとタイの二国関係は、2008年7月に世界遺産周辺地域をめぐる国境紛争が勃発して以来、緊張が続いているが、カンボジア政府が汚職で有罪判決を受け海外逃亡中のタクシン元首相を経済顧問に任命すると4日に発表してから、さらに緊張が高まっている。両国は5日、それぞれの大使を召還したほか、翌6日にはタイ政府が国境の閉鎖を示唆した。

 これに対し、フン・セン首相はタイ側が国境を閉鎖すればカンボジアも同様の措置をとると述べ、両国間の貿易が完全に遮断されて不利益を被るのはタイ側だと応じた。

 カンボジア、タイ関係の緊張については、 鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相も6日、「日本・メコン地域諸国首脳会議」で来日したフン・セン首相と官邸で会談した際に懸念を伝えている。(c)AFP/Kounila Keo