【11月8日 AFP】米下院は7日夜(日本時間8日午後)、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が内政の最重要課題と位置づける医療保険制度改革法案を220対215の賛成多数で可決した。オバマ大統領にとって大きな成果だ。

 午後11時7分(日本時間8日午後1時8分)、可決に必要な218票に達した瞬間、民主党議員の間から大きな拍手が巻き起こった。

 オバマ大統領は採決の数時間前、ホワイトハウス(White House)で「いまこそ歴史の呼びかけに応える時だ」と法案に賛成するよう呼びかけた。さらにオバマ大統領は民主党議員の結束を固めるためみずから議会におもむくという異例の行動にも出たが、民主党から39人が反対にまわった。

 米国は先進国の中で唯一国民皆保険制度がなく、無保険者が約3600万人に上るとみられている。この法案は、民間の保険とは別に政府が支援する保険制度を創設し、既往症がある人も医療保険の恩恵を受けられるようにするというもの。従業員に保険を提供することを雇用主に義務づけるが、小規模な企業にはその義務を免除し政府が補助金を出すことを定めている。

 医療保険制度改革の論戦の場は上院に移るが、政府が果たすべき役割について政党間の議論が続いており、法案の先行きは不透明だ。(c)AFP