【11月5日 AFP】アフガニスタンの大統領選で決選投票から撤退したアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相は4日、カブール(Kabul)の私邸で記者会見し、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が再選されたことは違法だと主張した。

 アブドラ氏は「(カルザイ氏の再選を決めた)独立選挙委員会(Independent Election CommissionIEC)の決定には法的根拠がない。正統性のない政府が汚職と戦うことなどできない。国民の支持を受けずに権力を握った政府がテロや失業、貧困など山積する問題を解決することなどできない」と語った。

 しかし、「これ(カルザイ氏の再選)が唯一の法律違反の例になるようにしよう」と述べ、街頭に出て抗議行動をしたり暴力に訴えたりすることがないよう自らの支持者にあらためて呼びかけた。また、アブドラ氏はカルザイ政権に参加する意思がないことも明らかにした。

■カルザイ政権に強まる外国の圧力

 アフガニスタン政府に汚職などの問題の解決を求める声は外国からも高まっている。

 国連アフガニスタン支援団(United Nations Assistance Mission in AfghanistanUNAMA)のカイ・エイダ(Kai Eide)代表は、新たに5年の任期を得たカルザイ氏の政権が改革に取り組む姿勢を見せなければ、世界はカルザイ氏を見捨てるかもしれないと述べた。

 エイダ氏は公共放送PBSに対し、「国際社会におけるここ数か月の議論を見ていると、新政権の顔ぶれから(改革に向けた)強いポジティブなサインが読み取れない限り、アフガニスタンについての議論は厳しさと困難の度合いを増していくだろう。アフガニスタンは戦略的に非常に重要なので、何が起ころうとも外国が手を引くことはないと思っているアフガニスタン人も一部にはいるようだが、それは明らかに間違っている」と語った。(c)AFP/Sardar Ahmad