【10月31日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は30日、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が就任した2009年の1月20日から7月31日の間にホワイトハウスの訪問を許可された人のうち、情報公開の求めがあった約500人の名簿を公開した。

 ホワイトハウスは今年9月、政権の透明性を高めることを目的に、国防関係や秘密を保つことが必要な場合を除いてホワイトハウスの来訪者名簿を公開すると発表していた。オバマ政権は同政権の透明性のあらわれだとしているが、公開された名簿に著名人と同じ名前も含まれていたことから一部に混乱も引き起こした。

 2008年の米大統領選挙期間中、扇動的な説教が問題視されたジェレミア・ライト(Jeremiah Wright)牧師や、対立候補だったジョン・マケイン(John McCain)上院議員の陣営がオバマ氏との関係を攻撃した1960年代の極左活動家、ウィリアム・エイヤーズ(William Ayers)氏などがその例だ。

 このほか、バスケットボールのマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏、社会問題を取り上げた映画で知られるマイケル・ムーア(Michael Moore)監督、ラッパーのR.ケリー(R. Kelly)さんと似た名前もあった。

 ホワイトハウスのノーム・アイゼン(Norm Eisen)大統領特別顧問(倫理問題・政府改革担当)は「このような著名人は実際にはホワイトハウスに来ていない。前例のない水準の透明性によって、混乱が引き起こされることがあるということは重要な教訓だ」と述べた。

 もっとも本当にホワイトハウスを訪れた著名人もいる。1月20日の就任式当日に訪問した人気司会者のオプラ・ウィンフリー(Winfrey)さん、アル・ゴア(Al Gore)元米副大統領、俳優のジョージ・クルーニー(George Clooney)さんなどだ。クルーニーさんは2月23日、ダルフール(Darfur)紛争で米国が関与を強めるよう陳情するため訪れた。

 ホワイトハウス訪問者の名簿公開については、政治に影響を与えているロビイストを一般国民の目から隠すなどとする批判もでている。(c)AFP

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