【10月14日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領の息子で大学生のジャン・サルコジ(Jean Sarkozy)氏(23)が、パリ(Paris)近郊のビジネス街ラ・デファンス(La Defense)地区を監督するデファンス地区開発公社(EPAD)のトップに就任する可能性が報じられ、抗議や冷笑といった反応が広がっている。

 最大野党の社会党が反対を表明するなか、サルコジ大統領は13日この問題について初めて口を開き、「理由もなく度を超えたやり方で人をオオカミの群れに投げ込むのは決して正しいやり方ではない」と記者団に語り、ジャン氏が不当にメディアの餌食にされているとの考えを示した。

 金髪がトレードマークでメディアから「ジャン王子」と呼ばれるジャン氏は、ソルボンヌ大学(Sorbonne)法学部の無名の学生だったが、2008年に父の地盤であったオー・ド・セーヌ県(Hauts-de-Seine)議会議員に当選。ジャン氏は飛躍の影に父の後押しがあったことを強く否定している。

 ジャン氏はメトロ(Metro)紙に対し、「『サルコジ』と呼ばれることは物事を難しくしている。わたしが最初から直面している痛烈な個人攻撃がその証拠だ」とし、「人より多くの権利は望まないが、同時に少ない権利も望まない」と心境を明かした。

 ジャン氏のEPADトップ就任をめぐっては、13日までに4万人がウェブ上で反対する請願書に署名している。マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」にも、「ジャン・サルコジは潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連(UN)事務総長の後任になれるくらい成熟している」と当てこするコメントなどが寄せられている。

 サルコジ大統領は1度目の結婚でジャン氏とその兄のラップ音楽プロデューサーのピエール(Pierre)氏をもうけた。2度目の結婚では現在12歳のルイ(Louis)くんが生まれた。

 ジャン氏は前年、仏家電量販チェーン「DARTY」を創設したダーティ家の出身であるジェシカ・セバウン(Jessica Sebaoun)さんと結婚し、今年12月に第1子が生まれる予定。(c)AFP