【10月14日 AFP】就任後初めてモスクワ(Moscow)を訪問したヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は13日、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相と会談した。クリントン長官は、イラン核問題でロシアと共同歩調を取ることを提起したが、ロシア側は、現時点での制裁は時期尚早だという立場を示した。

 クリントン長官は、イラン核問題においてロシアが「非常に協力的な」姿勢を示したと持ち上げたものの、交渉が不調に終わった場合は制裁を含む厳しい姿勢で臨むとする米側の立場に、「長官が期待していた」(側近)ロシアによる明確かつ公式な支持を取り付けることはできなかった。

 イランと強い経済的結びつきがあるロシアのラブロフ外相は、国連安全保障理事会(UN Security Council)による4度目となる対イラン制裁について語るのは時期尚早だとの立場を明確に示した。

 同外相はまた、イランが国連安保理常任理事国にドイツを加えた6か国との協議を開始したことに言及し、「現在の状況でイランに対して新たな制裁や圧力をかける姿勢を見せることは、逆効果だ」と指摘。「全ての手段を使い果たした場合には制裁が不可避な状況もあるが、現在はまったくそのような状況ではない」と語った。

■核軍縮交渉「大きな進展」

 ラブロフ外相は、米露両国は第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる核軍縮条約の交渉で「大きな進展があった」ことを明らかにした。クリントン長官も、両国の交渉は予定通り進んでおり、12月5日の失効期限までに合意を達成できると語った。(c)AFP/Lachlan Carmichael and Stuart Williams