【10月13日 AFP】米カリフォルニア州(California)のアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)知事は12日、同性愛者の権利活動家ハーベイ・ミルク(Harvey Milk)の生誕日を公式記念日とする法案に署名した。

 第81回アカデミー賞で、主演男優賞と脚本賞を受賞し話題となった映画『ミルク(Milk)』でも描かれたハーベイ・ミルクは、同性愛者であることを公表したうえで当選した初の公職者となったが、1978年に元市政委員によって、当時のサンフランシスコ(San Francisco)市長とともに射殺された。

 法案は、ミルクの生誕日である5月22日を「ハーベイ・ミルク・デー」とし、ミルクをしのび、同性愛の市民権獲得を目指したミルクの活動への知識を深める日とする内容だ。

 シュワルツェネッガー知事が法案に署名したことについて、同性愛者の権利団体からは歓迎の声が上がる一方、保守派は冷笑的な反応を見せる。

 こうした保守系団体の1つ「Pacific Justice Institute」は、法案には自分の子どもが学校で一日中、同性愛教育を受けるのを好まない親たちの選択的離脱(オプトアウト)権に関する条項がないと指摘。「勉学より政治的公正(PC)を優先する教育を受けさせられるカリフォルニアの生徒たちが、全米共通の標準試験で大いに苦しんでいるのは無理もない」と、法案を皮肉っている。(c)AFP