【10月10日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は9日、ノーベル平和賞を受賞した。保守派の政敵たちは、これを大統領の功績や欧州での威光をたたきのめす機会として利用しようとしているようだ。

 ノーベル平和賞の受賞により、オバマ大統領はネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元南アフリカ大統領、マザー・テレサ(Mother Teresa)、マーチン・ルーサー・キング(Martin Luther King)牧師と肩を並べることになったかもしれないが、これもワシントンD.C.(Washington D.C.)で繰り広げられる手厳しい政治的議論の洪水をせき止めることにはほとんど役立たなかった。

 共和党員や保守派はノーベル委員会(Nobel Committee)の決定を「残念」「当惑」などとして冷ややかに見ている。

 共和党全国委員会(Republican National CommitteeRNC)のマイケル・スティール(Michael Steele)委員長はオバマ大統領の受賞について、名声だけで「実績がない」と批判した。

 米国の保守系メディアも、現地時間の9日早朝にもたらされたこのニュースについての話題で持ちきりになった。

 右派寄りの毒舌で人気のラジオ・パーソナリティー、ラッシュ・リンボー(Rush Limbaugh)氏は、米政治専門サイトのポリティコ(Politico)にあてたメールで、今回の受賞は「バラク・オバマという幻想を完全にさらけ出した」とし、「彼らは米国の弱体化、中性化を望んでいる。これがそのコンセプトを押し進めようとする彼らのやり口だ」と批判した。

 もっとも共和党議員でも大統領を祝福した人はいる。かつて大統領の座を争った共和党のジョン・マケイン(John McCain)米上院議員は「この名誉ある賞に選ばれたオバマ大統領を祝福する。米国民とともに大統領への誇りを示したい」と祝福した。(c)AFP