【10月6日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世が5日、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)に到着した。1週間にわたる今回の訪米では、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との会談の予定はない。ワシントンを訪問したダライ・ラマが米大統領と会談しないのは今回が初めてとなるが、オバマ政権側はダライ・ラマを軽視しているわけではないと強調している。

 1991年のワシントン初訪問時にジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)元米大統領と会談を行って以来、ダライ・ラマと米大統領との会談はくり返し行われていた。

 オバマ大統領は、主要貿易相手国かつ最大の米国債保有国である中国との関係強化を目指しているが、その中国はこれまで、各国にダライ・ラマとの面会などを避けるよう圧力をかけている。

 米国務省側は、オバマ大統領は「相互に同意できる時期」にダライ・ラマと会談するとしている。ダライ・ラマ支持者は、11月に予定されているオバマ大統領の中国訪問の後、年内にも会談が実現することを期待している。

 一方、同省のイアン・ケリー(Ian Kelly)報道官は、チベット問題担当特別調整官に任命されたばかりのマリア・オテロ(Maria Otero)国務次官(地球規模問題担当)がダライ・ラマと会談を行うと発表した。(c)AFP/Shaun Tandon