【10月4日 AFP】意思決定の迅速化のための機構改革などを定めた欧州連合(EU)の新基本条約「リスボン条約(Lisbon Treaty)」の批准の是非を問うアイルランドの国民投票は3日、開票が行われ、圧倒的な賛成多数で批准が承認された。

 公式結果は賛成が67.13%、反対が32.87%、投票率は58%だった。

 2008年6月に行われた1回目の国民投票では反対が53%を占め、批准が否決されていた。2回目の国民投票でも承認されなければ新基本条約は事実上葬り去られる恐れもあったが、2日に投票が行われた国民投票では43の選挙区のうち41選挙区で賛成が反対を上回った。

 アイルランドのブライアン・カウエン(Brian Cowen)首相や、EUの行政執行機関、欧州委員会のジョセ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長、その他のEU加盟国の首脳らは相次いで投票結果を歓迎するコメントを出した。

 今回の投票結果をうけ、EU加盟27か国のうちリスボン条約の未批准国はポーランドとチェコの2か国になった。リスボン条約の発効には全加盟国の批准が必要。

 リスボン条約は約5億人が暮らしているEUに常任の「大統領」や「外相」を設置することなどを定めている。欧州議会(European Parliament)内部では、リスボン条約が発効すれば、英国のトニー・ブレア(Tony Blair)前首相が初代EU大統領に就任するのではないかとの見方もでている。(c)AFP/Robin Millard