【10月1日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)常任理事国にドイツを加えた6か国は1日、イランと核問題をめぐる協議をスイスで開始した。6か国は、イランに核開発が平和利用であることを証明させようと圧力をかける構えだ。

 イランのサイード・ジャリリ(Saeed Jalili)最高安全保障委員会(SNSC)事務局長は、ジュネーブ湖(Lake Geneva)を見下ろす山荘で、米国、ロシア、中国、英国、フランス、ドイツの6か国の代表らと会談した。イランは約1週間前に2つ目のウラン濃縮施設を建設していることを明らかにした。また今週に入って、イスラエルに到達可能なミサイルの発射実験を実施した。

 イランの核兵器開発に対する懸念が広がる中、6か国はイランに対し、同国のシーア派の聖地コム(Qom)そばに建設され、これまで秘密にされてきた新たな核施設に、国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の立ち入りを認めるよう求めている。

 ロバート・ウッド(Robert Wood)米国務省報道官代行は、会談について、イランが核開発の野心を洗いざらい告白する機会になると述べたが、一方で米国にも我慢の限界があると警告した。

 フランスのエルベ・モラン(Herve Morin)国防相は、12月までにイランが核疑惑を払しょくできなかった場合、フランスは追加制裁を求めていくと述べた。また、ベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)仏外相は、ジュネーブでの会談で追加制裁が回避される結果が出ることを期待していると語った。

■新たな核施設は「違反行為」

 モハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)IAEA事務局長は、イランが前週まで新たな核施設をIAEAに報告していなかったことについて「違反行為だ」と述べた。IAEAは、イランに対し、「速やかに」同施設の立ち入りを認めるよう求める書簡をすでに送付したという。イラン国営テレビが1日に伝えた。

 イランのアリ・アクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)原子力庁長官は今週、2つめの核施設の査察についての日程表をまもなく提示すると述べた。(c)AFP/Hui Min Neo