【9月28日 AFP】(一部更新)27日に投開票されたドイツ連邦議会(下院)選挙で、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相(55)率いる与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が第1党の座を守り、新しく中道右派の連立を組む自由民主党(FDP)と合わせて過半数の議席を獲得、メルケル首相が2期目を続投することとなった。

 メルケル首相はベルリン(Berlin)で支持者らを前に、「新しい政権を作るために安定多数を得るという目標を達成した」と勝利宣言を行った。

 各政党の得票率は、CDU/CSUが33.8%、FDPは14.6%で、合計で政権獲得に必要な約48%を超えた。FDPは1998年以来の政権復帰を果たす。

 CDU/CSUと過去4年にわたって大連立を組んだ社会民主党(SPD)は、戦後最低の23%にまで落ち込み、11年ぶりに野党に転落した。SPDのフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)外相は、落胆した支持者らに対し、厳しい敗北を喫したことを認めた。

 選挙戦は景気回復が主なテーマとなったがあまり盛り上がらず、投票率は70.8%と記録的な低さだった。投票日直前に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者らがアフガニスタンからのドイツ軍の撤退などを要求するビデオメッセージを公開したことも影を落としたが、下院では左派党(Linke)を除く全主要会派がアフガニスタンへの派兵に賛成しており、この問題は大きな争点にはならなかった。(c)AFP/Deborah Cole