【9月27日 AFP】イランは26日、このほど存在が明らかになった新しいウラン濃縮施設に対する国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の査察を受け入れる意向を表明した。

 アリ・アクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)原子力庁長官は国営テレビで、新濃縮施設はイランの核開発計画に不測の事態が起きた場合に備えた小規模なもので、今後2年以内に操業できると述べた。

 またサレヒ長官は、新濃縮施設はテヘラン(Tehran)とシーア派の聖地コム(Qom)の間のテヘランの南約100キロの地点にあると語り、初めてその場所について言及した。

 米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官はニューヨーク(New York)で記者団に対し「イランが国際的な規則と規制に従うことは常に歓迎される」と述べ、イランの対応を歓迎した。

 IAEAは25日、イランが9月21日に新しいウラン濃縮施設を建設中であることをIAEAに通知していたことを明らかにした。欧米諸国は軍事的な目的をもった施設だとして非難していた。マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は滞在先のニューヨークで25日、新施設は秘密にしていたわけではなく、完全に合法だと述べ、査察を受け入れる用意があると話していた。

 10月1日にはジュネーブ(Geneva)で、国連安保理の常任理事国(米英仏露中)と独の6か国がイランの核開発問題についてイランと協議することになっている。

 米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領ら西側諸国首脳は、イランがジュネーブでの協議で核開発計画について一切を明らかにしない限り、追加制裁も辞さない構えをとっている。(c)AFP/Jay Deshmukh