【9月25日 AFP】米国と英国、フランスの3国は25日、イランが建設を明らかにした秘密核施設に対する即時立ち入りを要求した。イランによる核兵器開発の懸念が急速な対立をもたらした。

 主要20か国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)の緊急会見で、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は、イランに対し、国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の査察を許可しなければ、厳しい制裁を実施すると警告した。

 オバマ大統領は、「この憂慮すべき情報について、IAEAが直ちに調査し、IAEA理事会に報告することを期待する」と述べ、イランの新たな核関連施設について、国際的な核拡散防止規則に対する「直接的な挑戦」と呼んだ。

 オバマ大統領は、来月1日にジュネーブ(Geneva)で予定されているイランと各国首脳との会合では、イランはIAEAに全面協力する用意をしておくべきだと述べ、さもなければさらなる孤立に直面するだろうと語った。

 また、オバマ大統領は、この秘密施設が、テヘラン(Tehran)から160キロ南にあるイスラム教の聖地コム(Qom)付近の山中で、数年間にわたって建設されていたと述べた。

 オバマ大統領は、「この施設の規模と構造は、平和利用と矛盾する」と述べ、「この施設の存在は、イランに国連安全保障理事会(UN Security Council)決議とIAEAの要求に継続的に従う意志の無いことを裏付けるものだ」と語った。「イラン政府は、直ちに行動を通じて平和利用の意志を示すか、国際基準や国際法に基づく説明責任を負わなければならない」

これに先だって、IAEAは、イランから21日に書簡で「新たな燃料濃縮試験施設が国内で建設中である」と通知を受けていたことを発表していた。

 ブラウン英首相は、施設の発見が国際社会に「衝撃と怒り」をもたらすと述べ、また、サルコジ仏大統領は厳しい口調で、イランが行動をとらなければ12月までに厳しい制裁を受けることになると非難した。

 オバマ大統領は就任直後からイランとの幅広い対話を呼びかけていたものの、これまでイラン側が避けていた。しかし、オバマ氏は、イランと主要各国との「有意義な」対話を続けると述べた。(c)AFP/Laurent Lozano