【9月25日 AFP】米ニューヨーク(New York)での国連総会での鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)首相の外交デビューは、日米関係を強化するという点に関しては好調な滑り出しを見せた。しかし、在日米軍再編問題など、行く手には大きな障壁が横たわる。

 鳩山首相は、23日のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との初会談後の記者会見で、「オバマ大統領と信頼関係のきずなができた」と手応えを語った。オバマ大統領も、鳩山首相と良好な関係を築きたいと述べ、半世紀にわたる日米同盟は米国外交の「基軸」だと発言。11月に訪日する意向を示した。

 明治大学(Meiji University)の西川伸一(Shinichi Nishikawa)教授(政治学)は、今回の訪米における鳩山首相の主な目的がオバマ大統領との個人的関係の構築である点を指摘、その意味においては上々のスタートを切ったと分析する。

 一方で、在日米軍問題などの懸案についてはまだ触れておらず、両政府間で何らかの合意に達するためには11月のオバマ大統領訪日を前に詳細を詰める必要があると述べる。

 米政府は23日、ジェームズ・スタインバーグ(James Steinberg)米国務副長官が今週、日本を含む東アジアを歴訪すると発表した。カート・キャンベル(Kurt Campbell)米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、「日米間の対話は静かに、かつプロフェッショナルに着手するのがベスト」との考えを示している。

 ただ、キャンベル次官補は同時に、鳩山政権について「発足して間もないことを忘れてはならない」と指摘、微妙な問題について協議するのは時期尚早だとも述べた。

 鳩山首相は、オバマ大統領との信頼関係構築について、難しい問題も1つ1つ解決していこうとの意志がお互いにあると感じた、と自信をのぞかせたが、会談で首相がインド洋での給油活動に代わる貢献として提案したアフガニスタンへの民生支援について、オバマ大統領は少し考え込んだ後、「感謝する」と返すにとどまった。(c)AFP