【9月24日 AFP】国連総会(UN General Assembly)の一般討論演説で23日、リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が初の演説を行い、欧米諸国を激しく非難するとともに、これまでに数百万人の命を救わなかったとして国連を痛烈に批判した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に続き、総会議長国リビアから「王の中の王」と紹介され登壇したカダフィ大佐は、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元大統領の暗殺から新型インフルまで多岐にわたって持論を展開。演説は持ち時間の15分を大幅に超える1時間35分に及び、出席していた各国首脳の多くは次第に退席していった。

■安保理は「テロ理事会」

 カダフィ大佐は演説の中で、国連の安全保障理事会(UN Security Council)を「テロ理事会(Terror Council)」と呼び、第2次大戦後の創設以来、65もの戦争を許してきたとして非難した。

「超大国は利権を守るために国連を利用している。第3世界諸国はおびえ、恐怖にさらされ、不安の中で暮らしている」

「国連の創設以来、65の戦争が勃発し、その犠牲者は第2次大戦での犠牲者数を超えている」

 また、安保理の常任理事国を拡大する動きについて、安保理ではなく国連総会の権限を強化して、拘束力をもつ決定を行わせるべきだと訴えた。(c)AFP/Shaun Tandon