【9月22日 AFP】米国のジミー・カーター(Jimmy Carter)元大統領が、コロンビア紙ティエンポ(El Tiempo)とのインタビューで、2002年に不成功に終わったベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領に対するクーデターについて、当時の米政権がつかんでいたばかりか、関与した可能性さえあるかもしれないと発言した。

 カーター氏は同インタビューで「2002年、米国があのクーデターについて最低でも十分に情報を得ていたことに疑いはないし、直接関与さえしていたかもしれない」とし、チャベス大統領が同クーデターは米国の企みだと非難し続けるのも理解しうると述べた。

 2002年4月、南米左派の防波堤とみなされていたチャベス大統領は、経団連会長と軍が結託したクーデターによって一時排除されたが、48時間で政権を奪還した。

 当時のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領はこのクーデターに対する米政府のいかなる関与も否定し、ブッシュ政権の痛烈な批判者だったチャベス大統領に「クーデターから教訓を学ぶべきだ」と発言した。

 カーター氏はインタビューで、チャベス氏が選出された1999年のベネズエラ大統領選は「公正」だったと思うと述べ、またチャベス大統領は就任以来、ベネズエラに必要とされた改革をやり遂げ、「それまで社会のなかで排除されていた人びとに、より多くの国の富が分け与えられるようにした」とチャベス氏を評価した。

 一方でカーター氏は、チャベス大統領が「権威主義」に向かっている傾向は懸念材料だと語った。しかし、チャベス大統領の影響力はベネズエラ国内でも国外に対しても「弱まりつつある」との見方を示した。

 また、現米政権のバラク・オバマ(Barack Obam)大統領がカーター氏に、最終的にはベネズエラとの国交正常化を望んでいると語ったことも明かした。しかし、「彼(チャベス)がそれを実質的に不可能にしている」とカーター氏は述べ、「彼が米国に対する中傷や侮辱を口にするのを止めれば外交関係は改善すると思う」と批判した。(c)AFP