【9月20日 AFP】カーター元大統領が医療保険改革をめぐるバラク・オバマ(Barack Obama)大統領への批判の根底に人種差別があると指摘したことに関し、オバマ大統領は20日に放送される複数のインタビュー番組で、今、最重要の問題は人種差別問題ではないと述べるとともに、政府が果たすべき適切な役割について国民の関心が高まっていると述べた。

 カーター元大統領は15日に米NBCテレビに出演し、「オバマ大統領に対して強く示されている敵意の大部分は、オバマ氏が黒人、アフリカ系米国人だという事実に基づいている」と指摘したことから波紋が広がっていた。

 オバマ氏は医療保険改革への支持獲得を目指し「メディア作戦」を展開し、20日に放送される5本の人気テレビ番組に出演。そのうちの1つ、CNNの「State of the Union」のインタビューでは「人種が理由で私を嫌う人はもちろんいるだろう。だが今それは最重要の課題ではない」と語った。

 またCBSの報道番組「Face the Nation」では、「医療保険改革の問題が、政府は経済にどれほど関与すべきか、という広範な論点を含む大きな問題にすり替わってしまっている」と指摘。「この点で激しい意見の対立があるとしても、お互いに節度をわきまえた市民として振る舞い、他人の根底に悪意があると疑ってかかるのではなく、われわれ全員が国を愛する米国人なのだという認識を示すよう、ひとりひとりが努力することは可能だ」と話した。(c)AFP/Alex Ogle