【9月8日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が8日に高校の始業式で行う演説について、「社会主義的」とみなす保守派から反発があがっている件で、ホワイトハウスは前日の7日、演説内容をウェブサイト上で事前公開した。

 公開された同演説は、生徒たちに勉学に励むように呼び掛け、「あなたたち一人一人がみんな得意なことをもっている。一人一人みんなに何かできることがある。そして、あなたがたにはそれが何であるか、自分で発見する責任がある。それを見つけるチャンスこそが教育によって提供されるものです」といったくだりが含まれている。

 また「学校をドロップアウトして、良い仕事にドロップインすることはできない。勉強し、訓練し、学ばなければならない。これはあなたたち自身の人生や将来のために重要なだけではない。あなたたちが教育から得るものは、まさしくこの国の未来も左右する」という一節もある。

 この演説はバージニア(Virginia)州アーリントン(Arlington)にある高校の始業式で行われるが、全国の学校で視聴できるようテレビやインターネットで中継される予定だ。

 しかし、視聴の取り止めや視聴の判断を校長・教師に委ねる決定を下す学区が現れたり、保護者が生徒に見せたくない場合には視聴しなくてもいいという選択肢を設ける動きもみられた。

 演説内容のインターネット公開を発表したロバート・ギブス(Robert Gibbs)大統領報道官は、内容に疑念をもつ人たちのために公開したと述べた。

 演説を批判する保守派は、生徒たちにリベラルな理念を吹き込み、社会主義に洗脳する内容だと反発している。保守派の怒りは、演説の発表と同時に教育省が国内の全校に送った「学級活動のメニュー」のなかに、「どうすれば大統領を助けることができるかという題で作文を書く」という課題が含まれていたことから火がついた。

 全米の保守派による草の根団体「全米茶会同盟(Nationwide Tea Party Coalition)」広報のマイケル・リーヒー(Michael Leahy)氏はAFPの取材に対し、「これはオバマ中心主義だ。作文の主眼は教育ではなく、バラク・オバマ崇拝に教化すること以外の何ものでもない」と語った。

 また、共和党フロリダ(Florida)州支部のジム・グリアー(Jim Gree)支部長は憤りながら、「アメリカ中の教室を」社会主義イデオロギ-にいざなおうとしている「ハーメルンの笛吹きオバマ」と表現した。(c)AFP

【参考】ホワイトハウスのサイト上で公開された原稿全文(英語)