拘束時の様子を明らかに、北朝鮮から釈放の米記者
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【9月2日 AFP】北朝鮮に不法に侵入したとして拘束され、8月にビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領の訪朝で釈放された米国人記者、ローラ・リン(Laura Ling)さんとユナ・リー(Euna Lee)さんが1日、拘束時の様子を初めて語り、北朝鮮兵士に中国側から強制的に連行されたと当時の状況を説明した。
両記者は、所属する米カレントTV(Current TV)のウェブサイトに声明文を発表した。
声明によると、3月17日に中国と北朝鮮の国境付近で北朝鮮脱出者の取材をしていたリンさんとリーさんは、北朝鮮側に入った直後に中国側に戻ったが、北朝鮮兵士らに中国側まで追いかけられて拘束された。「全身の力を振り絞って草や地面にしがみついた」が北朝鮮側に連行されたという。
リン氏とリー氏は当時、韓国系中国人のガイドに従って川を渡り、脱北者が潜んでいるとされる隠れ家のある集落へ向かっていた。中国と北朝鮮の国境を示すような標識はなかったが、凍りついた豆満江(Tumen River)を渡る際に国境付近だということはわかったという。
しかし、途中で両記者は不安を感じ、「急いで中国側へ引き返すことにした」。川を渡って引き返している途中で、「遠くから叫び声が聞こえた」という。
「振り返ると、ライフルを持った北朝鮮の兵士2人が走って追いかけてきていた。直感的に、われわれは走り出した」
ガイド役とカレントTVのミッチ・コス(Mitch Koss)記者は無事逃げることができたものの、リーさんとリンさんは兵士に追いつかれた。「北朝鮮側には1分も滞在しなかったが、この1分を深く後悔している」と両記者は語った。
拘束された両記者は、取材した脱北者の身元が判明しないよう、監視の目を盗んで「取材のビデオテープを破壊し、取材ノートは飲み込んだ」という。その後の140日間の拘束期間中は、「別々に隔離されて繰り返し取り調べを受けた」。そして、両記者は労働教化刑12年の有罪判決を受けた。
また、両記者は、ガイドに従う決断をした責任は自分たちにあるとしながらも、ガイドに拘束を仕組まれた可能性もあることを指摘した。「今でも、罠にかけられたのかどうかはわからない」ものの、川を渡る地点を直前に変更したり、中国の警官用のコートを着用するなど、「今から振り返ってみると不自然な行動をとっていたが、当時は用心のための行動だと思っていた」という。(c)AFP
両記者は、所属する米カレントTV(Current TV)のウェブサイトに声明文を発表した。
声明によると、3月17日に中国と北朝鮮の国境付近で北朝鮮脱出者の取材をしていたリンさんとリーさんは、北朝鮮側に入った直後に中国側に戻ったが、北朝鮮兵士らに中国側まで追いかけられて拘束された。「全身の力を振り絞って草や地面にしがみついた」が北朝鮮側に連行されたという。
リン氏とリー氏は当時、韓国系中国人のガイドに従って川を渡り、脱北者が潜んでいるとされる隠れ家のある集落へ向かっていた。中国と北朝鮮の国境を示すような標識はなかったが、凍りついた豆満江(Tumen River)を渡る際に国境付近だということはわかったという。
しかし、途中で両記者は不安を感じ、「急いで中国側へ引き返すことにした」。川を渡って引き返している途中で、「遠くから叫び声が聞こえた」という。
「振り返ると、ライフルを持った北朝鮮の兵士2人が走って追いかけてきていた。直感的に、われわれは走り出した」
ガイド役とカレントTVのミッチ・コス(Mitch Koss)記者は無事逃げることができたものの、リーさんとリンさんは兵士に追いつかれた。「北朝鮮側には1分も滞在しなかったが、この1分を深く後悔している」と両記者は語った。
拘束された両記者は、取材した脱北者の身元が判明しないよう、監視の目を盗んで「取材のビデオテープを破壊し、取材ノートは飲み込んだ」という。その後の140日間の拘束期間中は、「別々に隔離されて繰り返し取り調べを受けた」。そして、両記者は労働教化刑12年の有罪判決を受けた。
また、両記者は、ガイドに従う決断をした責任は自分たちにあるとしながらも、ガイドに拘束を仕組まれた可能性もあることを指摘した。「今でも、罠にかけられたのかどうかはわからない」ものの、川を渡る地点を直前に変更したり、中国の警官用のコートを着用するなど、「今から振り返ってみると不自然な行動をとっていたが、当時は用心のための行動だと思っていた」という。(c)AFP