【8月26日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は25日、2010-19年までの財政赤字見通しを9兆500億ドル(約850兆円)と発表した。米国の生活再建に向けたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の取り組みは、再び、米国の財政赤字拡大と大規模な失業という、深刻な脅威にさらされている。

 オバマ氏が休暇先のゴルフ場へと向かった数分後に発表されたこの見通しは、今後10年間、米国の財政債務が拡大していき、米経済が立ち直るためには大きな困難が待っていることを示すものだ。

 この見通しはまた、発足7か月のオバマ政権の勢いを衰えさせている根本的な緊張感を強調するものとなった。オバマ大統領は、深刻な国家的財政危機のなかで、かつてないほどの政治的挑戦に取り組まなければならないといえる。

 米行政管理予算局(Office of Management and BudgetOMB)は同日、09年の財政赤字予想を1兆8400億ドル(約170兆円)から1兆5800億ドル(約150兆円)に下方修正した。しかし、修正後の赤字額でさえ国内総生産(GDP)の11.2%をも占める割合だった。

 OBMは、米国の財政赤字予想が「ひるむようなもの」であり、支持することはできないとしており、オバマ大統領の進める医療保険改革や温暖化防止に向けた野心的な取り組みに対して、ますます疑問が投げかけられることになった。

 また、議会予算局(Congressional Budget Office)は、09年の米財政赤字として1兆6000億ドル(約150兆円)の見通しを発表し、「第2次世界大戦以来、最高の赤字額になるだろう」と警告した。

 さらにCBOは、失業率についても拡大する見通しを示し、09年の9.3%から2010年通年で10.2%に上昇し、10年中頃に最高値の10.4%を記録した後に、11年に9.1%には縮小すると発表した。(c)AFP/Stephen Collinson