【8月23日 AFP】ドイツの週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は、米中央情報局(CIA)がキューバのグアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にあるグアンタナモ米海軍基地の被収容者を尋問するため、アジアの秘密刑務所に移送した際、米民間警備会社ブラックウオーター(Blackwater)に移送を委託していたとする記事を、24日発売の同誌に掲載する。

 記事には、同誌が入手したとするブラックウォータ元社員2人のメモが引用されている。そのメモによると、CIAは「ブラックウォーターとその子会社を雇い」、キューバにある米国の収容所から隠密に収容者を「パキスタン、アフガニスタン、ウズベキスタンにある秘密の収容キャンプへ、尋問のために」移送したとある。

 一方、CIAの報道官は同誌に、このメモには「誤り」が含まれていると通告した。

 20日の米報道によると、CIAは2004年に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)幹部らの捜索と暗殺作戦の一部をブラックウォーターに委託した。6月に計画を知ったレオン・パネッタ(Leon Panetta)CIA長官は、計画が実行に移される前に中止を命じた。

 シュピーゲルが入手したメモによると、CIAがブラックウォーターに委託した内容は、アフガニスタン国内の標的に対する攻撃だった。メモには計画に関与した人物数人の名前も記されており、そのうちの1人は「雇われた暗殺者」と表現されていたという。また、メモを書いた2人は、作戦の責任はCIAの元ナンバー3だったアルビン・バーナード・クロンガード(Alvin Bernard Krongard)氏にあると名指ししている。(c)AFP