【8月11日 AFP】アフリカ歴訪中のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は10日、訪問先のコンゴ(旧ザイール)で、夫のビル・クリントン(Bill Clinton)米元大統領の意見を求めた学生の質問に対し、めずらしく怒りをあらわにした。

 首都キンシャサ(Kinshasa)で行われた若者たちとの公開討論会で、男子大学生が、コンゴに対する中国と世界銀行(World Bank)の関与について質問し、「ミスター・クリントンはこの件についてどうお考えですか?」と質問した。

 困惑したムードが流れるなか、クリントン長官は語気を荒げ、「あなた、夫の意見を知りたいというの?」「夫は国務長官ではありません。国務長官はわたしですよ。わたしの意見を聞くべきでしょう。だからわたしは、わたしの意見を言います。夫とチャネリング(霊の交信)するつもりはありません!」と返した。

 夫のクリントン米元大統領は、妻とは対照的に表舞台にはほとんど姿をあらわさないが、前週、北朝鮮を訪問し、拘束されていた米記者2人の釈放を実現させた。

 クリントン元大統領はホワイトハウスを去ったあと、アフリカの開発に積極的に取り組んでいるが、妻のアフリカ7か国歴訪に合流する予定はない。

 クリントン長官は今回の歴訪で「女性の権利」を最優先課題に据えており、11日には同国東部ゴマ(Goma)を訪問して性暴力の被害を受けた女性たちと面会する。(c)AFP