【8月8日 AFP】(写真追加、一部更新)イランで、マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の再選に対する抗議デモの最中に拘束され、8日に裁判所に出廷した人びとの中に、英仏大使館の職員およびフランス人大学教員が含まれていたことを受けて、両国では怒りや驚きの声が巻き起こっている。

 英国大使館の現地職員、ホセイン・ラサム(Hossein Rassam)氏は、テヘラン(Tehran)で大統領後に起きた暴動の際、大使館の同僚8人とともに拘束された。他の8人は釈放されたが、ラサム氏は保釈金を支払って保釈された。

 国営イラン通信(IRNA)によると、ラサム氏にはスパイ容疑がかけられている。

■「英国大使館から指示を受けた」

 ラサム氏は、「暴動の際に、地元職員は英外交官のトム・バーン氏、ポール・ブレミー氏とともに現場に行くよう英国大使館から指示を受けた」と述べた。イラン政府は6月、バーン氏とブレミー氏の両外交官を国外追放処分にしている。

 IRNAによると、検察官は、ラサム氏が「政治団体、少数民族や宗教的少数派、および学生団体の代表らと接触する任務を与えられていた」と主張したという。

 一方、7月31日に拘束施設内で24歳の誕生日を迎えたフランス人のクロチルド・レス(Clotilde Reiss)氏は、7月1日に研究旅行を終えてイランから出国しようとした際に「暴動の誘発と情報収集の容疑」で拘束された。フランス大使館の文化部署に勤務するNazak Afshar氏も、6日に拘束された。イラン国営テレビは、2人が「外国大使館に情報を提供し、暴動において積極的な役割を果たした」と伝えている。

■英外務省は「基本的人権を奪われた状態での自白」と非難

 英外務省は、Rassam氏の裁判について、「一切容認できない。イラン高官がわれわれに繰り返し伝えていた話と真っ向から矛盾する」と述べ、「これらの審理を非難し、また、拘束された人びとが基本的人権を奪われた状態で強要された自白を遺憾に思う」と非難した。(c)AFP/Aresu Eqbali