【8月5日 AFP】アフリカ歴訪の最初の訪問地ケニアに前日到着したヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は5日、悪政がアフリカ大陸の発展を阻害していると述べ、アフリカ諸国に対し、汚職と犯罪の撲滅に向けて主導権をとっていくよう求めた。

 ケニアで行われたクリントン長官の基調演説では、同国で人気の高いバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領による突然のビデオメッセージが放映され、クリントン長官の発言を後押しした。

 ケニア生まれの父親をもつオバマ米大統領は、「アフリカ人にしか、アフリカの可能性を解き放つことはできない」と述べ、前月ガーナを訪問した際にオバマ氏が強調した「良い統治」というテーマを訴えた。

「希望と機会のある未来を求めるすべてのアフリカ人は、このことを知って欲しい。米国には、あなたのパートナー、そして友人がいることを」(バラク・オバマ米大統領)

 クリントン長官は、米市場で優遇を受ける40か国が参加する「アフリカ成長機会法(African Growth and Opportunity ActAGOA)」フォーラムで演説し、米国はアフリカ大陸の「パトロンではなくパートナー」になりたいと語った。また、米国が、投資拡大や飢餓撲滅に向けた農業支援などでアフリカ支援に携わってきたことを述べた。

 しかし、クリントン長官は、「(各国の)指導者が主導しなければならない」と注意を促し、「アフリカの真の経済発展は、汚職を拒否し、法による支配を行い、国民に成果をもたらすような責任ある政府にかかっている」と語った。

 クリントン氏は、「これは良い統治、というだけではなく、良い経済についてのことでもある」と訴えた。(c)AFP/Shaun Tandon