【8月5日 AFP】(一部更新)北朝鮮の国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は5日、同国を訪問していたビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領が北朝鮮に拘束されている米女性記者2人に対する恩赦を確認したと報じた。

 クリントン氏は前日4日、米女性記者2人の解放交渉のために平壌(Pyongyang)入りし、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記らと会談した。クリントン氏は米国人としてはここ10年あまりで、北朝鮮を訪問した最高位の人物。

 KCNAは会談について、「クリントンは金正日総書記に対し、不法入国した米記者2人が行った北朝鮮への敵対行為について、心からの謝罪の言葉を伝えた」「クリントンは金正日総書記に対し、人道的観点から2人を許し、帰国させてほしいとする米政府のたっての要請を伝えた」などと報じている。

 金総書記が記者2人の特別恩赦を発令した後、クリントン氏は「バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領によるこの措置に対する心からの感謝と両国関係の進展を反映したメッセージを口頭で伝えた」という。

 一方、ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)大統領報道官は4日、「事実ではない」とこの報道を否定した。

 米国人記者のユナ・リー(Euna Lee)記者とローラ・リン(Laura Ling)記者は3月17日、中朝国境での取材中に北朝鮮の国境警備兵に拘束され、12年の労働教化刑判決を受けた。2人は米カレントTV(Current TV)の番組のため、中朝国境で脱北者を取材していた。

 クリントン氏の報道官は4日、同氏が記者2人とともに北朝鮮を離れ、ロサンゼルス(Los Angeles)に向かったことを明らかにした。(c)AFP