【8月2日 AFP】中国人民解放軍(People's Liberation ArmyPLA)は1日、建軍82周年を迎えた。

 同日、人民解放軍の機関紙、解放軍報(Liberation Army Daily)は「われわれ人民解放軍は中国共産党(Communist Party)の指導下にある。わが軍は人民民主専政の基礎であり、社会の安定維持において重要な役割を果たしている」との社説を掲載した。

 さらに、国家統一を守り、犯罪暴力や民族・宗教的分離主義と戦うことは、人民解放軍と人民武裝警察部隊(People's Armed Police )の最優先事項だと、同紙は社説で述べている。
 
 1927年の人民解放軍の建軍は、1949年10月に成立した中華人民共和国による共産党支配につながっていった。それ以降、人民解放軍は共産党の指導下に置かれてきたが、国家や議会に対して完全な責任を負っているわけではない。

 中国では毎年のように大規模な抗議活動や暴動が起きている。2008年3月のチベット(Tibet)での騒乱や、2009年7月に新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で発生した大規模な暴動は記憶に新しい。その大半は政府の腐敗疑惑から生じたもので、貧富の格差の拡大がそれに拍車を掛けた。

 国営新華社(Xinhua)通信によると梁光烈(Liang Guanglie)国防相は7月31日の建軍を記念した演説で、中国は平和的開発の道を歩み、外国の軍隊との協力を強化していくことになるだろうと述べた。

 中国政府の公式発表によると、2006年以来、同国の軍事費は約2倍に拡大しているとされているが、海外のアナリストは実際の軍事費はこれよりずっと多いはずだと指摘されている。

 中国の軍事費の拡大から諸外国は中国の軍事的野心とその透明性について懸念を示している。一方中国政府は、新たな軍事費の大半は人民解放軍の230万人の人員に十分な食料と装備を支給するために使われたと主張している。(c)AFP/Robert J. Saiget