【7月31日 AFP】(一部更新、写真追加)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は30日、誤認逮捕されたハーバード大学(Harvard University)の黒人教授と逮捕した巡査部長をホワイトハウス(White House)に招き、ビールを飲みながら懇談した。誤認逮捕をめぐり再燃する人種問題を沈静化しようというオバマ大統領のはからいだ。

 オバマ大統領は同日午後6時、ヘンリー・ルイス・ゲイツ(Henry Louis Gates)教授とジェームズ・クローリー(James Crowley)巡査部長をホワイトハウス中庭にしつらえられたテーブルに案内した。この「ビールサミット」にはジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領も加わった。

 オバマ大統領は、これより前に報道陣に対し、「これは大学のセミナーではないし、サミットでもない。ある問題が誇大に宣伝されてシンボル化されてしまうと、事件の当事者たち、わたしも含めて、みんなが不完全な人間なのだという事実さえも見えなくなってしまう。だからこそ、互いに交流しようという試みなのだ」と話した。

 報道陣は、30秒間の記念撮影が終わると中庭から閉め出され、参加者たちに質問することはできなかった。

「ビールサミット」後、クローリー巡査部長は記者会見を開いた。記者からの「誰か謝罪したか」との質問に対しては「していない」と答え、「心の通った生産的な議論ができた」と付け加えた。

「(今回の集まりは)過去数週間の出来事を掘り返すことなく前進するための前向きな一歩になった。また、ケンブリッジ市や2人の個人だけでなく国全体がこの事件を乗り越え、将来の意味ある議論の礎とするための取り組みになった」(c)AFP/Stephanie Griffith