【7月30日 AFP】来日していた亡命ウイグル人組織を束ねる「世界ウイグル会議(World Uighur Congress)」のラビア・カーディル(Rebiya Kadeer)議長(62)が30日、滞在日程を繰り上げ、亡命先の米国への帰途に着いた。

 カーディル議長は予定していた講演の代わりにビデオメッセージを残し、午後6時30分から都内のシンクタンク、日本政策研究センター(Japan Policy Institute)で上映された。
 
 同センターや支援者らによると、当初は本人による講演が予定されていたが31日に急きょ、米下院議員らとの会議に出席することになり、ワシントンD.C.(Washington D.C.)へ向かうこととなった。

 NHKで放送された成田国際空港(Narita International airport)での談話で、カーディル議長はウイグル語で「人びとがウイグル人に強い興味をもってくれることを願っている。中国の罪、虐殺について調査してほしい」と語った。

 カーディル議長は前日都内の記者会見で、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のウルムチ(Urumqi)で発生した暴動で、1万人近い人びとが「ひと晩のうちに消えた」と語り、さらに中国政府を刺激した。

 カーディル議長は次週、再度アジア太平洋地域に戻ってオーストラリアを訪問し、8月8日には自らの人生を描いたドキュメンタリー映画『The 10 Conditions of Love』が公開される同国での映画祭に出席する。

 カーディル議長を「犯罪分子」と呼ぶ中国政府は、ウルムチの暴動を扇動したのは同議長だと非難しており、日本政府に対しても議長に対するビザ発給申請に応じないよう求めていた。また29日には日本の駐中国大使を呼び、強い不満を伝えていた。(c)AFP