【7月30日 AFP】著名黒人教授が白人警官に誤認逮捕された問題で、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は30日、両者をホワイトハウスに招き、「ビールサミット」で政権初の人種問題の沈静化を図る。ロバート・ギブズ(Robert Gibbs)大統領報道官が28日、明らかにした。

 ギブス報道官によると、オバマ大統領は30日午後6時、事件当事者のヘンリー・ルイス・ゲイツ(Henry Louis Gates)ハーバード大学(Harvard University)教授とジェームズ・クローリー(James Crowley)巡査部長をホワイトハウスに招待。天気が良ければ、大統領執務室(Oval Office)裏手のピクニックテーブルでくつろぐことになるかもしれないという。

 ホワイトハウスによると、ビールの銘柄についてはクローリー巡査部長が「ブルームーン(Blue Moon)」を指定しており、オバマ大統領は「バドワイザー(Budweiser)」を飲む予定。ゲイツ教授のチョイスは不明だ。

 ギブズ報道官は、今回の集まりについて、ビールを飲みながらの「会話と対話の機会」であり「正式な議論の場だと解釈してはいない」とする一方、「われわれはまだ今回のような重要な問題を協議するためテーブルにつくことができ、不愉快にならずに反対意見を述べることが可能だということを示す」行為で、「教えられる瞬間」だとも強調した。

 また、米国の長年の問題である人種間の緊張に対し、オバマ大統領ができることはこの程度しかないと指摘。「大統領が繰り返し述べているとおり、すべての問題を政府が解決するわけではなく、すべきでもない」と釘を刺した。(c)AFP