【7月28日 AFP】米国と中国が2日間の日程で外交・経済分野の問題について協議を行う「米中戦略・経済対話」が27日、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開幕した。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は開幕式で、米中関係は世界中の「どの2国間関係よりも重要だ」と述べ、米中間が広範な協力を行うことで21世紀の道筋をつけていくことを求めた。

 オバマ大統領は、米中が協力を進めていく分野として、世界経済の回復から、気候変動問題、さらには中国の人権問題までの幅広い分野を強調した。一方の中国側は、同国が保有する7500億ドル(約71兆円)に上る米国債の安全性に対する懸念などを取り上げる意向を明らかにしている。

 オバマ大統領は、米国は「中国古来の文化」を尊重しているとした上で、「すべての人びとの宗教・文化が尊重、保護される必要があり、すべての人びとは自らの思想を自由に表明するべきだと強く信じる」と語った。

 また、最大の温室効果ガス排出国である米中両国は、12月に開かれる国連気候変動枠組条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第15回締約国会議(COP15)までに、新たな気候変動枠組条約の成立に向け取り組みを進める責任があると強調した。

 さらに、東アジアでの核軍拡競争に懸念を示し、北朝鮮やイランの核開発問題でも中国の支援を求めた。

 米中戦略・経済対話は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領の下で2006年に立ち上げられた、経済分野の米中対話を拡充したもの。米国側からは、ヒラリー・クリントン(State Hillary)国務長官、ティモシー・ガイトナー(Timothy Geithner)財務長官などが、中国側からは、戴秉国(Dai Bingguo)国務委員、王岐山(Wang Qishan)副首相などが参加している。(c)AFP/Shaun Tandon and Veronica Smith