オバマ大統領、自らの発言を「後悔」 黒人教授誤認逮捕事件で
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【7月25日 AFP】著名黒人教授の誤認逮捕事件についてバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が「警察は愚かな行為をした」と発言したことから論議が巻き起こっていることについて同大統領は24日、「自分の発言を後悔している」と述べ、自らの発言が招いた騒動の沈静化に努めた。
米マサチューセッツ州ケンブリッジ(Cambridge)で前週、名門ハーバード大(Harvard University)の黒人教授、ヘンリー・ルイス・ゲイツ(Henry Louis Gates)氏が自宅で不法侵入者と間違われて白人警官に逮捕されたことがこの問題の発端となった。
オバマ大統領が警察の誤認逮捕を「愚かな行為」と批判すると、これに猛反発したケンブリッジの警察当局者が24日に記者会見し、誤認逮捕が人種問題に根ざしていると述べたオバマ氏に謝罪を要求し、「ケンブリッジ警察の警官全員に謝るべきだ」と訴えた。この記者会見はテレビで生放送された。
そのわずか2時間後、オバマ大統領はホワイトハウスで記者団の前に姿を現すと、誤認逮捕した警官ジェームズ・クローリー(James Crowley)巡査部長に電話をかけたことを明らかにした。オバマ氏は電話で、ケンブリッジ警察、あるいはクローリー巡査部長を非難するような印象を与えたことは残念だったと述べ、「もっと別の言い方ができたはずだった」と伝えたと話した。
■「ホワイトハウスで3人でビールを」
オバマ大統領は「ここまで大きな問題となったのは、人種問題が米国社会でいまだ大きな問題である証だ。人種問題についてよく理解し、適切な行動を取ってきた警官がいる一方で、警官とアフリカ系米国人社会との間に誤解が見られる場合もある」と述べた。また「警察も教授も過剰に反応した」と指摘した。
さらにオバマ大統領は、快活な調子で、ゲーツ教授とクローリー巡査部長に、ホワイトハウスに集まって3人でビールを飲みながら語り合おうという内容の話をしたことを明らかにした。「このスケジュールが決まっているかは承知していないが、調整できるだろう」(オバマ大統領)
一方ホワイトハウスは、オバマ大統領の今回の発言は「謝罪ではない」と強調し、オバマ大統領の22日の記者会見での発言内容を打ち消すものではないとしている。
今回の失言騒動が、オバマ大統領が注意深く作り上げてきたイメージを台無しにする危険もある。クインニピアク大学( Quinnipiac University)のリッチ・ハンリー(Rich Hanley)教授(コミュニケーション学)は、「これは人種問題にとどまらず、(共和党が重視する)法と秩序の問題でもある」と述べ、オバマ大統領が政策を進める上で共和党の対決姿勢を招く恐れがあると指摘する。
たが共和党の重鎮、ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)元下院議長は今回のオバマ大統領の行動を支持している。ギングリッチ氏は「オバマ大統領が、非難した警官に電話したと会見で話したのは賢明だった。謝罪の方法としてしゃれている」と人気マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」を通じてコメントした。(c)AFP
米マサチューセッツ州ケンブリッジ(Cambridge)で前週、名門ハーバード大(Harvard University)の黒人教授、ヘンリー・ルイス・ゲイツ(Henry Louis Gates)氏が自宅で不法侵入者と間違われて白人警官に逮捕されたことがこの問題の発端となった。
オバマ大統領が警察の誤認逮捕を「愚かな行為」と批判すると、これに猛反発したケンブリッジの警察当局者が24日に記者会見し、誤認逮捕が人種問題に根ざしていると述べたオバマ氏に謝罪を要求し、「ケンブリッジ警察の警官全員に謝るべきだ」と訴えた。この記者会見はテレビで生放送された。
そのわずか2時間後、オバマ大統領はホワイトハウスで記者団の前に姿を現すと、誤認逮捕した警官ジェームズ・クローリー(James Crowley)巡査部長に電話をかけたことを明らかにした。オバマ氏は電話で、ケンブリッジ警察、あるいはクローリー巡査部長を非難するような印象を与えたことは残念だったと述べ、「もっと別の言い方ができたはずだった」と伝えたと話した。
■「ホワイトハウスで3人でビールを」
オバマ大統領は「ここまで大きな問題となったのは、人種問題が米国社会でいまだ大きな問題である証だ。人種問題についてよく理解し、適切な行動を取ってきた警官がいる一方で、警官とアフリカ系米国人社会との間に誤解が見られる場合もある」と述べた。また「警察も教授も過剰に反応した」と指摘した。
さらにオバマ大統領は、快活な調子で、ゲーツ教授とクローリー巡査部長に、ホワイトハウスに集まって3人でビールを飲みながら語り合おうという内容の話をしたことを明らかにした。「このスケジュールが決まっているかは承知していないが、調整できるだろう」(オバマ大統領)
一方ホワイトハウスは、オバマ大統領の今回の発言は「謝罪ではない」と強調し、オバマ大統領の22日の記者会見での発言内容を打ち消すものではないとしている。
今回の失言騒動が、オバマ大統領が注意深く作り上げてきたイメージを台無しにする危険もある。クインニピアク大学( Quinnipiac University)のリッチ・ハンリー(Rich Hanley)教授(コミュニケーション学)は、「これは人種問題にとどまらず、(共和党が重視する)法と秩序の問題でもある」と述べ、オバマ大統領が政策を進める上で共和党の対決姿勢を招く恐れがあると指摘する。
たが共和党の重鎮、ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)元下院議長は今回のオバマ大統領の行動を支持している。ギングリッチ氏は「オバマ大統領が、非難した警官に電話したと会見で話したのは賢明だった。謝罪の方法としてしゃれている」と人気マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」を通じてコメントした。(c)AFP