【7月23日 AFP】英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は23日、イタリア政府が、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が購入主の可能性があるとして、豪華ヨット2隻の同国への販売を認めなかったと報じた。

 このヨットの売買契約は2隻で1250万ユーロ(約17億円)相当だったが、イタリア政府と警察の詐欺対策部門の捜査を受けて、7月に入り契約は解除された。販売を許可すれば、北朝鮮に対する国際的な制裁措置に違反する可能性があるとして、ヨットは2隻とも経済発展省が押収した。

 同省では「商品の種類とその国(北朝鮮)の現在の状況から、証拠はないものの、ヨットの購入者が総書記である可能性が非常に高いとみている」と発表した。

 ヨットの建造費はすでに払い込まれているが、誰が支払ったかは不明だという。ヨットは販売主のイタリアの豪華ヨットメーカー、アジム・ベネッティ(Azimut-Benetti)に戻された。

 北朝鮮を訪問したことのある人や亡命者らによると、金総書記は豪華な料理にコニャックをあわせるなど贅沢な暮らしを送っているといわれる。一方で北朝鮮の食糧不足は深刻で、国民の食生活は国外からの援助に頼っている。(c)AFP