【7月23日 AFP】韓国の聯合(Yonhap)ニュースは22日、北朝鮮の国営朝鮮中央テレビ(Chosun Chung-ang TV)が同日、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が今年3月に行った工場視察に関するドキュメンタリー番組を放映したと伝えた。ドキュメンタリーの中の金総書記は、左手をほとんど動かしていない以外は元気な様子だったという。

 金総書記は前年8月に脳卒中を起こしたとみられており、以後に撮影され公開された写真では左手を使っている様子がほとんど見られない。

 ソウル(Seoul)から北朝鮮のメディア報道を監視している聯合ニュースによると、40分のドキュメンタリーは「金正日将軍様、人民による幾多の経済計画を現場で指導」と題され、勝利自動車(Sungri Motor)工場や熙川発電所(Huichon Power Station)を含めた十数か所を精力的に回る姿が映し出されている。

 また番組内では、金日成大学(Kim Il-Sung University)に新しくできたプールを視察した際、4歩ほど歩いたが、このとき左手はほとんど動かず、左足にも異常があるように見えたという。

 その一方で、側近らと話すときには右手を活発に動かし、表情豊かに笑っていた。父親の金日成氏の銅像の前では、自分で自分の写真をとる光景も見られたという。

 北朝鮮は前週、金総書記の生涯を描いた初の記録映画を制作していることを発表し、後継者問題をめぐる憶測が飛び交った。

 韓国のニュース専門テレビYTNは前週、金総書記が膵臓(すいぞう)がんで余命5年未満と報じたが、一部のアナリストは、忙しいスケジュールが報じられていることから、こうした報道を疑問視している。(c)AFP