【7月23日 AFP】東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に参加するためタイのリゾート地プーケット(Phuket)を訪問中のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は22日、北朝鮮を除く6か国協議参加国のロシア、中国、日本、韓国との協議後、記者会見を開き、「完全で逆戻りできない非核化が、北朝鮮が存続できる唯一の道だ」と強調した。

■ミャンマーへの核技術移転懸念を再び表明

 同日朝にタイのテレビ局に対し、北朝鮮からミャンマーへの核技術移転懸念を示していたクリントン長官は、「北朝鮮とビルマ(ミャンマーの旧国名)の攻撃用兵器追求面での協力が懸念される。恐らく、いつかは核兵器さえも含むことになるだろう」と、再び懸念を表明した。

 一方、ミャンマー軍事政権が自宅軟禁下にある民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんを解放すれば、米国からの投資などの見返りを受けられるとし、さもなければASEANはミャンマーの除名を検討すべきだと主張した。

■東南アジア友好協力条約に署名

 また、クリントン長官は記者会見の後、東南アジア友好協力条約(TAC)に署名した。アジア地域での中国の影響力拡大が背景にある模様だ。

 長官は「米国は東南アジアを支援している。オバマ大統領とわたしは、この地域が世界の発展、平和、繁栄に欠かせないと信じている」と強調した。(c)AFP/Danny Kemp